熱望
あなたはそこに立っている。
ただただ立っている。 そこはとても静かな場所だ。
翳りもなく、微笑みもない。
あなたは意図することなく私を誘(いざな)う。
それは私の求めてる場所。
私の中のスイッチが切り替わる。
一瞬にして新しい振動が生まれる。
微細な、けれど小気味良いリズム。
私は自分の心が躍動してることに気づく。 静かな喜びに包まれ、
細胞が泡立つ。
次第に私は高揚し、あなたと私の場所が重なったら良いのにと思う。
熱望。
すると私は途端に二元に引き戻されて、
仕方なくあなたに向かって微笑むのだ。